ライズとは

「ライズって何?」
初心者の方から頻繁に聞かれる質問です。
フライフィッシングの醍醐味です。

魚が水面の餌を捕食する行動をライズといいます。
フライフィッシングにおいて、もっとも興奮し繊細なゲームがライズを攻略すること。
魚が今捕食している物を予測・観察しライズを攻略しましょう。

具体的には、水面に魚体を出してみたり、
水しぶきが上がったり、水面に円形の水紋が出来たりと色々ですが、
臆病で警戒心の強い渓流魚にしては大胆な行動である。
ライズは水生昆虫の羽化に」大きく関係しており、
何を捕食しているか特定するには水生昆虫の知識が必要となる。

代表的な羽化方法は
 ・水面羽化
幼虫やサナギが水面まで浮上し、水面から外界へと変体する羽化方法。
 ・水中羽化
水中で幼虫の殻を脱ぎ水面に浮上し、外界へと飛び立つ羽化方法。
 ・陸上羽化
幼虫のまま陸に上がり岩や草などに捕まり外界へと飛び立つ羽化方法。

ライズが発生しやすい川ってどんな川でしょう。
ライズは魚がいれば起きる可能性は十分あります。
しかし、フライフィッシングに適した条件を挙げるならば、
水生昆虫が豊富な川である事が条件となるでしょう。
水生昆虫が豊富な川とは、
水温が安定していたり、広葉樹林に囲まれた川である。
また、底石のしっかりした川は水中昆虫が多い傾向にある。
他には、ライズを確認しやすい流れ。
流れがフラットで開けた川が初心者にはオススメでしょう。
全ての条件が一致していれば、
最高のフライフィッシング・フィールドになる。

季節・時間帯
ライズが一番活発になるのは5~6月の初夏。
この時期、幼虫として過ごしてきた水生昆虫が一斉に羽化する。
特に、日が落ちる寸前のイブニングでは、
水生昆虫が一斉に羽化するスーパーハッチが発生しやすく、
このタイミングでは魚が乱舞しライズする。
フライマンにとっては最もエキサイティングな時間帯。
スーパーハッチを実際に見た事が無い方は、
是非見て欲しい。
鳥肌が立つような感動と、その後に来るであろう興奮するライズ。

年間ハッチチャート  



3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬
ユスリカ
ヒゲナガカワトビケラ











クシゲマダラカゲロウ








オオクママダラカゲロウ

















オナシカワゲラ














コカゲロウ









クロマダラカゲロウ















ホソバマダラカゲロウ
















ヒメカゲロウ















アカマダラカゲロウ















コウノマダラカゲロウ

















※★が羽化時期

実際に使うフライは?
使うフライは魚が捕食している物に合わせる必要がある。
よく聞く「マッチ・ザ・ハッチ」である。
これは、季節・時間帯・ライズパターン・捕食生物の種類などから判断していく。
季節時間帯・捕食生物の種類は、
水生昆虫を理解しよう
を参考にしてください。

使うフライに関しては
・水面で黒くて大きい
・水面で白くて小さい
・沈んで黒くて大きい
など、「水面か水中か」「色は何色か」「大きいか小さいか」
などで簡単に判断しても十分でしょう。
この3点で判断する事が初心者にとっては必要です。




ライズの分析
~基本的なライズパターンと対応~

 ライズには多くのパターンがあります。捕食物の種類や、
流れの状況だけではなく魚の種類によっても変化します。
ライズを上手く釣るには本質を知らなければなりません。
魚の心理状況がライズには含まれている。
フライフィッシングの醍醐味といっても過言ではないでしょう。
ここにライズの基本パターンをいくつかご紹介します。
個人的な見解も多いので、参考程度にお考えいただけると幸いです。

 
■シンプル・ライズ
流れてくる捕食ターゲットを迷わず、ゆったり食べる動作。
魚は一切のストレスが無く気ままに時間を過ごしているのでしょう。
このライズの捕食ターゲットは、基本的に動かない物。
・メイフライ・スピナー
・カディス
・ただ流されているアント
などが多い。
フォームとしてはディンプルが多いが反転しないでターゲットが
頭上に来るのを待っている。
動作は最小限の動作で流下するのを追いかける事は無い。
いかに頭上に流すのがポイントとなる。
最短距離で捕食するわけである。
だが、簡単に釣れるとは限らない。
怪しい気配を感じたならば迷わず姿を隠してしまう。


 ■コンパウンド・ライズ
釣り人が多く出入りする川などでは自然と魚は人にスレてくる。
捕食物に対して警戒し、フライだけでなく本物の餌に対しても
不信感を持ってしまう。
水面近くに定位し食べる気がある感じでスタンバイしていても、
捕食する位置が後方へと移動していく。
ターゲットを観察しているのだ。
観察するがゆえ体を捻ってターゲットを口にする。


 ■コンプレックス・ライズ
コンパウンド・ライズが悪化してしまった状況。
ターゲットの観察が鋭くなり、
ターゲットと数センチの間隔をキープし一緒に流れを下り、
捕食せずに結局もとの位置に戻る事が多くなる。
仮に捕食した場合も定位場所とかなり離れた場所で捕食する。
ターゲットを完全に監視し、追いかけて反転しながら疑いながらも捕食する。
この場合、ナチュラル・ドリフトの時間も長くしたい。
しかし、フライの選択によっては、
コンプレックス・ライズを繰り返していたのが、
簡単にシンプル・ライズで釣れてしまうことがある。
捕食のリズムやライズの周期、キャストのタイミング、
フライの選択・・・。
全てが一致した場合は、何の警戒も無く釣れる。


 ■バルジング
刺激的で魅力的。
魚が水面近くに定位しているか、水面付近を移動しながら、
水面や水面直下のステージで発生する。
鼻が水面から出てきて吸い込むのがハッキリ確認できる。
水面直下を漂うターゲットを捕食していれば、
上から捕食するので、後頭部から順番に、
背中、背びれ、尾びれの順にハッキリ確認できる。
または、水面付近で行うために、水面が盛り上がるような事も。
バルジングは流れが緩くフラットな水面で発生することが多い。
流れが極端に弱く緩い場合、止水、または行動範囲が広い場合など、
水面直下をクルージングしながらライズを繰り返す事が多い。
ポイントとしては、生きている物や動く可能性がある物を捕食するフォームなので、
パラソルやフローティングニンフを捕食している場合が多い。
魚の状況はリラックスし、捕食意欲が強いので、ライズの頻度は高くなる。
しかし、ミスキャスティングや不自然なドリフトを行ってしまうと、
当然ながら警戒態勢に入りライズを止めてしまう。

 ■ディンプル
水面や水面直下のターゲットを吸い込むようなパターン。
水面や水面直下で発生するので、大きく水面が凹む。
とくに岩魚属が得意としている。
他のライズとの組み合わせや、捕食ターゲットの流下状況などに関係するが、
頻繁に繰り返し行われるライズではない。
気まぐれな大型のイワナに見られる傾向。
流れが遅いポイントや止水の場合、水面直下をクルージングしながら
捕食行動を行うさいに、捕食ターゲットが昆虫類の死骸などなら、
バルジングではなくディンプルで頻繁にライズする事もある。

 ■ショッピング
渓流で最も多く見られるライズ。
捕食を躊躇しながら、ようやく捕食を行う。
ライズの特徴としては、「ピチィ」と小さく水面を叩くようなパターン。
魚の定位置を特定するのは困難で、水面直下にいたのに水底から動かなくなったりする。
基本的なパターンは、岩陰に隠れながら水面を流下するターゲットに
注意し観察して突然飛び出してくる。
つまり流下するターゲットを待っているのではなく、
一定の間観察し捕食するか判断しているのだ。
そして素早い動作で捕食を行う。
攻略ポイントは、ナチュラルドリフト。
正しくナチュラル・ドリフトを行いフライのトリガーが一致していれば、
魚がフライを捕食するのは難しくない。

 ■スプラッシュ
捕食ターゲットの動きが速く大きい場合や、大型の捕食ターゲットに対して
強引に捕食しようとする場合に起きるライズ。
主に、カディスピューパやアダルトのように素早く動く水生昆虫を捕食するさいに
発生する。
羽化が集中したときには頻発にライズする事もある。
大型のメイフライや陸生昆虫などを捕食するときには、
大きなジャンプをすることがある。
場合によっては観察に時間をかけすぎて、やむなくスプラッシュになることもある。
スプラッシュの場合トリガーの優先順位が動きと思われているが、
実際は必ずしもそうとは限らない。
大きく派手なフォームでの捕食になるので相当な体力が必要となる。
当然、効率が悪く、リスクも高くなる。
魚もスプラッシュを好んで行ってはいないだろう。
なのでスプラッシュを発見してもナチュラルドリフトを心がけたい。

 ■テーリング
浅い流れや、プールなどの止水で見る事が出来る可能性がある。
水底のケースドカディスやラーバなどを捕食する際に
イワナがテーリングを行う事が稀にある。
水面に尾びれを出し水底や藻などの餌を捕食している。
水草が生い茂っている水域などでは水深に関係なくテーリングを行うことがある。
捕食ターゲットは
・ダムゼル(イトトンボ類の幼虫)
・スカット(エビ系)
になる。
羽化直前の水面に向かって泳いでいるターゲットを狙っている場合などは、
頻繁にテーリングを見せてくれる。
もしテーリングを発見したら迷わずダムゼル・ニンフをセレクトして欲しい。
残念ながら国内ではテーリングに出会う事は多くはないだろう。
しかし、テーリングを逃したくないのであれば
フライボックスにダムゼル・ニンフを入れておくのも良いだろう。



最後に

どんなライズでも必ずそこには魚の心理状態が現れている。
ライズの持つ意味を理解出来なければ、フライで釣るチャンスが少なくなるだろう。
私の場合はライズを確認してからフライを選択しキャスティングする事がある。
ライズを確認出来ない時は何もしないで帰る事すら過去にあった。
現在ではライズが無くても釣る知識とフライがあるので、
ライズに固執する事はなくなったがライズを発見した時には、
当然興奮し、すぐにライズにあった攻め方を行う。
フライフィッシングでは多くの知識が武器になる事は間違いないだろう。